2015年2月23日月曜日

本格リゾートとして開発コンセプトをがっちりネーミングに託してきた - タングラムスキーサーカス(その一、タングラム斑尾)(長野県)

タングラム・パズル

このスキー場の命名ですが、格好良く新しい造語だと、てっきり思っていました。
でも、調べてみたら、シルエットパズルの一つを指しているのが分かりました。

このパズルは、さまざまな形のピースを組み合わせて課題の形を作りあげます。
それがタングラムでして、世界的に非常に有名なもので、正方形がべースです。

日本では、”清少納言知恵の板として江戸時代中期の書物で紹介されました。
でも、構成するパズルのピースが少し違っているので、ジャパンメードでしょうか。

平安時代の女流歌人・清少納言が女児の知恵試しに考案したと言われます。
古典文学『枕草子』の作者として知られていますが、才女らしい伝承と思いました。

それで、二十世紀の初めで、二千以上の作品とも言える図形が知られていました。
七つの片々を使って、人間・動物・物・文字など自在に形が出来上がるようです。

クリックで拡大してご覧ください

ところで、このタングラムにはシンボルマークのキャラクターが使われています。
なまえをパンタンというのですが、角を生やして笛を吹いている姿をしています。

開業当時、一般公募によって採用されましたが、オリジナルはギリシャ神話でした。
パーンは、羊飼いと羊の群れを監視する神さまで、山羊のような角を持ちます・

牧羊神といいますが、フルートのような横笛を吹いていますが、音楽好きなのか。
神話の世界では、竪琴の神アポロンと音楽の技量を競うことになっています。

田舎じみた旋律は野卑だったのでしょう、アポロンの奏でる音色には勝てません。
こうして、悔しくも負けてしまったパーンですが、どうしてタングラムになるのか。

平成4年2月14日滑走
パンタンが描かれています

まあ、自然と融合する中で、ゆったりとした時間、草原をおおらかに歌い、踊り、走る。
このことから、純粋に遊び心を表現したキャラクターだと、リゾートは説明するのです。

なるほど神様の遊び心なのかと思ったものの、タングラムまでには結びつきません。
ただ、リゾートですから、遊ぶ人次第で四季をさまざまに楽しんでもらうのも事実です。

だからこそ、複雑な造形を可能にするパズルの創造性に、引っ掛けたのでしょう。
というわけで、ここのゲレンデは、同じ山に開かれた斑尾高原スキー場と隣同士です。

スキーブームの頃、あの”みだらお”と呼ばれたイケイケのゲレンデに対抗したのか。
いや、本格リゾートとして、開発コンセプトをタングラム&パンタンでガッチリ練りこんだのは、さすがバブル期の東急不動産として心意気が違ったなーと思いつつ、今になってそのことに気が付いた、周回遅れの自分がいるのでした。


おまけ:
グーグルドライブはこちらから
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注:コースマップ出典元→オールスキー場完全ガイド’95(立風書房)    


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