2015年4月28日火曜日

一般参加で発掘されたナウマン象の化石は目と鼻の先にあったのだ - タングラムスキーサーカス(その二、タングラム斑尾)(長野県)

野尻湖博物館パンフ
グーグルドライブはこちらから

このタングラムのそばには、野尻湖という風光明媚な小ぶりの湖があります。
上信越高原国立公園に指定された飛び地が湖になっていて、夏の景勝地です。

芙蓉湖ともいいますが、岸辺の出入りが多くて俗に四十八崎といわれるせいです。
芙蓉の葉は、多くて七つの切れ込みを持つ特徴があって、姿形が似ています。

湖を周遊する県道が西岸を走っていますが、カーブも多くてなるほどと思いました。
最初に訪問した際、冬の雪道は車線も狭くカーブが多くて、怖い気もしたのです。

グーグルマップですと、新潟県に入って妙高高原から走った方が走りやすそう。
なので、スキー場へ出向くには、冬場は野尻湖を経由しないほうが無難でしょう。

さて、この湖が全国で有名になったのは、むしろ観光でなくて考古学の分野です。
昭和37~41年の間、この湖で大規模なナウマン象の化石発掘が行われました。

クリックすると拡大します

本当は、全国のあちらこちらで発見されているのに、なぜか野尻湖だけ有名です。
実は、全国的な支援組織をつくって発掘を続けた見事な戦略があったからでしょう。

最初の発見も湖の中から発見されたため、報道ネタとしても大きなトピックでした。
そして、 古生物学者の井尻正二氏が、野尻湖発掘調査を指導したことが大きい。

この発掘調査は、専門家以外も参加できる「大衆発掘方式」の先駆けになりました。
しかも、ご本人は高名な著述者で、「野尻湖のぞう」の児童図書も出版しています。

この本ですが、たいていの小学校図書室にはおいてあったんじゃないでしょうか。
自分も読みましたし、著作の「化石」という岩波新書も読んだのを思い出しました。

その後、北海道忠類村(当時)では、ほぼ一頭になる個体骨格が発掘されました。
北海道出身ですから、地元で大ニュースになったのを未だによく記憶しています。

虫類ナウマン象記念館MAPPLE観光ガイドから

その後、復元された骨格が22体と多く、海外の博物館にも展示されているようです。
一方、野尻湖でも七八割に当たる骨格が発掘されていると紹介されていました。

ただ、発掘した化石部分を集積した結果のようで、個体ではないかもしれません。
まあ、全身骨格の復元の先駆けになったのだし、野尻湖の業績は大きいのです。

というわけで、かつて野尻湖には、ナウマン象が悠々と闊歩していたのでした。
実は、この湖といえば、合宿中の大学生男女二人が、水温五度しかないのに 悪ふざけで湖に飛び込んで死亡した事故が起きていて、直近で記憶に新しいのですが、ゲレンデネタにするにはあまりに後味も悪く、他方、ナウマン象にはぜひ触れておきたい個人的な気持ちもあり、こつこつタイプする自分がいるのでした。


おまけ:
小学校の図書館に必ずありました

※おわび(H27年4月30日):
載せる資料の順序を間違えたので、原稿の内容が一致せず訂正させていただきました。



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