2015年8月13日木曜日

冬は純白無垢なゲレンデでも、夏は村八分の泥仕合で地元は大混乱 - わかぶな高原スキー場(新潟県)

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このスキー場のパンフレットは、かわいい恐竜が滑ったり転んだりしていました。
それも、各ページにスキーウエアを着込んで、さまざまな仕草をしてくれます。

このフィギュアですが、ちゃんと造りこんで撮影したんじゃないかと思いました。
四半世紀も昔のことだし、CGや3Dプリンターは未だ影も形もない時代でしょう。

ていねいな粘土細工で、彩色もていねいに施されており、生き生きとしております。
いかにもスキーとスノボで雪にたわむれて、楽しんでいる実感が湧き上がりました。

このパンフレットを見ていますと、このゲレンデに出かけてみたくなってきますね。
それで、道順とかアクセスが気になって、パンフをぱらぱらとめくってみました。

すると、車利用なら国道7号線と113号線を走り、所要が一時間半とありました。
しかも、最寄の地図が、新潟、新発田、村上の地名が書いてあり、新潟県内でした。

ということは、このスキー場は、新潟県内の来場者を主な対象にしているようです。
つまり、この一時間半は、県庁所在地のある新潟市からと見て差し支えありません。

平成4年12月29日滑走

雪国ですし、地元をターゲットにしたゲレンデが存在しておかしくはないでしょう。
実際に、県北の下越地方には、そこそこに規模のあるゲレンデもなくはありません。

そのひとつが、このわかぶな高原ですが、首都圏からではかなり不便に思えます。
もし、新幹線で出かけて越後湯沢駅で降りるのなら、ゲレンデはごまんとあります。

次に車で関越道を走るのなら、遠出をしても魚沼エリアがせいぜいかもしれない。
さらに、少し遠出をして長野の県境を超えれば、野沢温泉も戸狩温泉もありました。

実を申しますと、自分の場合、スキー場までの経路が、まったく違っていたのです。
前日は、山形県の置賜地方で宿泊していたので、そこから小国町を経由しました。

とにかく、国道113号線は圧雪の区間が長くて、慎重に運転したの覚えています。
このため、どの地域のお客さんがターゲットなんて、気にする余裕もありません。

米坂線沿線ガイドパンフ
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生憎の悪天で雪も結構降っており、途中の横根スキー場ですら見落としす始末です。
しかも、ゲレンデに到着してみたら、吹雪が強くなって視界がほとんどありません。

ホワイトアウトの中を、リフトは全部乗りましたが、どう滑ったのかも分からない。
衝突しないようにスピードを抑えながら、ただひたすら注意して滑走しました。

ところで、このゲレンデの集落は「沼」といいますが、少し妙な事件を知りました。
それは、集落の催しに不参加を申し出たのが理由で、村八分が起こったことです。

今時に、あまりに古めかしい言葉で驚いてしまいましたが、理由が良くわからない。
簡単に説明すると、先ず村落の中で、住民が決めた掟や秩序を破ったとしましょう。

そういうことをしたのなら、犯したことに対して制裁が加えられるということです。
例えば、結婚式、出産、法要、家の新改築などは、参加も手伝いもなくなります。

つまり、そのような村落が共同で対処する生活行事の交流が絶たれる事態なのです。
それでも、葬式の世話と火事の消火活動だけは、最低限に助け合うしきたりでした。

こうして、行事の十分のうち二分を爪弾きするから、「村八分なんだそうです。
それで、この沼集落は、36戸の内、11戸を村八分扱いにしたというから凄い。

ネットで見つかる新聞記事
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つまり、三分の一が爪弾きに会い、山菜採りやゴミ収集箱の使用が禁じられました。
結果、むごい仕打ちに我慢できなかったのか、訴訟沙汰にまで発展してしまいます。

思うのですが、原告の一人は会社員で、集落とは異なる組織にも関係していました。
生計の立て方が、共同作業を重視した農業でなくなったところが引っ掛かるのです。

つまり、集落の生活様式が変化し、村のしきたりに従う意味がなくなったのかも。
ただ、今回の問題となった「いわなのつかみ取り」は行事の意図が変質しています。

これは、お盆の帰省客を対象にした催事なんだそうですが、集団の利益でしょうか。
むしろ、お年寄りしかいない家庭では、準備や後片付けの負担が増えてしまいます。

お盆は、先祖の霊が生前過ごした家に帰ってくるので、静かにお迎えするものです。
そんな、過去の日々を思いやり、静かに過ごす時期に、働くのはいかがなものか。

ただ、スキー場の観光施設ができてしまうと、集落と部外の接点は急に広まります。
さらに、観光客を目当てに民宿や食堂の商売も始まると、目的は営利に変わります。

そんな匂いがぷんぷんとするのが、この”つかみ取り”だと言えなくもありません。
訴えを受けてたった有力者三名は、その営利の接点に関わっていたんじゃないのか。

そんな風にも思えてしまうのですが、だったとしたらきっかけはスキー場でしょう。
つまり、この施設が、日々の農村の暮らし向きを変えてしまったのかもしれません。

というわけで、この記事を書いて、改めて現代のムラ社会を再考させてくれました。
最近では、高齢者五人が殺害された山口連続殺人放火事件も、耳目に新しいのです。

この事件では、犯人が村人からの傷害事件の被害者であったことなども事件後に分かって来て、村八分が原因かと騒がれたほどですが、この沼集落の訴訟では、不参加を決めた住民達の理由に、「有力者の一人がイワナ購入にあたって村の補助金を水増し請求している」というのもあって、なんとも金まみれのいやらしさばかりが目に付いてしまい、純白無垢なゲレンデと美しい田園風景の互助制度も、台無しになったなと思うばかりなのでした。


おまけ:
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