2015年12月28日月曜日

三菱重工のYanリフト情報は、これで止めをさしておこうかと思う - 菅平高原スキー場など全国各地(長野県など)

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世の中にオタクという人は、数多くいるものですが、ゲレンデにも出没しております。
何を求めさまよっているかといえば、それがリフトやゴンドラの索道なんですね。

皆さん、鉄道オタクはご存知でしょうが、索道オタクはなじみが薄いでしょう。
でも、乗り物好きの究極は、ロープウェイを含めた索道だという人もいるぐらい。

他方、廃墟オタクは廃ガソリンスタンドオタクにたどり着くケースもあるみたいです。
となれば、自転車ツーリングオタクは、しまいに一輪車ツーリングに落ち着くのか。

そんなことはないでしょうが、自分もスキー場へ出かける内に興味を惹かれました。
特に、リフト待ち一時間が当たり前だった頃、並んで待てばすることもありません。

次第に乗り場に近づくにつれて、ぐるぐる回ってくるイス(搬器)も気になります。
しかも、高速クワッドですと、速く回るワイヤーから搬器が外れて減速します。

日本ではデタッチャブル・リフトとよんでいますが、訳せば分離式リフトになります。
英語でちゃんと書けば、Detachable Liftになりますが、一方クワッドはどうなのか。

Quadと英語で略して書き、四つのことを意味しますが、正式にはQuadrupletです。
ただ、発音がややこしくて、クアドルプレットでは、舌をかんでしまいそうです。

このため、仕様や機能になぞらえた商品名を指して、クアッドを用いる事例も多い。
現に、スポーツ用品メーカーのミズノは、ゴルフシャフトにQUADと名づけました。

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こうして、このの四人がけリフトは、スキー客もあわてずにしっかり乗れるわけです。
他方、搬器をロープに固定したリフトは、初心者は意外に失敗して転んだりします。

秒速にして2メーター程なのですが、一方、クワッドは秒速4メーターとかなり早い。
搬器に腰掛けるためには、移動速度を固定式以下にまで落とさねばなりません。

自分は、技術系ではないのですが、このメカニズムにとても興味を持ちました。
しかも、メーカーごとにデザインに工夫が見られて、違いも見受けられたりします。

それで、冒頭のカタログは、索道メーカーに依頼して送ってもらった戦利品です。
送ってもらえたのは、次のメーカーなんですが、皆さん親切にしていただきました。

① 日本ケーブル(会社案内)
② 安全索道(会社案内・各種リフト・設置実績リスト)
③ 東京索道(会社案内・各種リフト)
④ 樫山ダイヤモンドリフト(っ会社案内・各種リフト・スノーマシン)
⑤ 三菱重工(会社案内・スノービジネス各種)

①~③は伝統的にリフトの老舗的なメーカーですが、④と⑤は後発でした。
スキーブームの頃、スキー場開発がラッシュ状態で、索道の需要も増えます。

このため、リフト・ゴンドラのタイプやらメーカーも、スキーブームに乗って増えました。
しかも、大量のスキー客をゲレンデさばくために、高速リフトも主流になります。

特に、三菱重工業のYanリフトは、アメリカのデザインで考え方が大きく違います。
リフトエンジニアリング社と技術提携したことで、日本へ新機軸がもたらされました。

カタログを見ると分かりますが、握索装置と搬器のタイヤ式押送装置が特徴的です。
まず、握索装置は、搬器が高速で移動するロープから脱落しない工夫が必要です。

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握索装置の拡大写真が秀逸

ガッチリ離さないグリップ力なのですが、ヨーロッパ製はコイルバネを用いました。
事務用品の目玉クリップもバネ仕掛けで締めますが、原理的にはよく似ています。

そして、山麓駅と山頂駅で高速ロープから搬器を脱着する構造が欧米で違うのです。
ヨーロッパ製は、握索装置のローラーが、ガイドレールに乗って減速し移動します。

この移動では、握索装置が爪の付いたチェーンにひっかけられて流れる分けです。
これを押送装置といい、Yanではタイヤを使用しており雰囲気が異なりました。

このクワッドですが、ヨーロッパ製の機械的な騒音が、あまり感じられません。
握索装置がゴムタイヤで送り出していくので、意外に静かだったように思います。

そして、握策装置に使われるバネがコイルに代えて、ゴム製スプリングでした。
ウイキの説明では、"marshmallow"、マシュマロと書いてあり、弱かったのでしょう。

実は、ここら辺のデザインが、後年、死亡事故を伴う致命的欠陥だと判明しました。
時は平成7年、カナダ・ウィスラースキー場で、死者2名、負傷者8名の事故です。

原因は、索道が緊急停止した際、その反動で搬器がずれて隣に衝突したとあります。
もっよひどいのは、ロープから外れて斜面を転がり落ちたような記述もありました。

よほど握策のグリップ力がなくて、これではマシュマロといわれても仕方ありません。
結局、会社自体は翌年に破産してしまうのですが、当然の成り行きなのでしょうか。

というわけで、三菱重工の手になるリフトも、すでに他社製に切り替えられています。
当時、三菱重工はレジャー産業の分野で活発に事業を展開し、目玉はスキーでした。

実際、リフトやゴンドラなど索道事業向けに、導入事例のカタログも作られています。
ビジネスチャンスだったとはいえ、この米国発の技術が撤退の引導を渡したみたい。

他方、Yanブランドの創設者、Jan K. Kunczynski氏もスキー業界ではすでに過去の人になってしまったようですが、ネットで英語検索してみると、本人の伝記がそれなりにまだ紹介されており、この会社が業界で一時代を築いていたのは事実だったのだと、改めて思うのでした。


おまけ:
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Yanリフトのアクシデント英文記事



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