2014年12月7日日曜日

富士見高原といえば、堀辰雄の”風立ちぬ” - 富士見高原スキー場(長野県)

平成3年3月24日滑走

堀辰雄という小説家がいまして、その全集を中学生の頃に読んでしまいました。
ませたガキなのかもしれませんが、文体は子供なりに高尚で美しいと感じていました。

また、小説の舞台が世間離れしていて、軽井沢だったり富士見高原だったりしました。
ごく普通のサラリーマンの子供だった自分には、避暑地の設定など夢のような話です。

休暇を取って暑さを逃れて別荘へ赴くなど、自分の生活からかけ離れていたのです。
小説の中で描写される暮らし向きが、実にお洒落でして、自分もあこがれていました。

ただ、当時は北海道に住んでいて、夏は避暑地と同然の気候だったのですけどね。
読んでいて深く感じたのは、代表作の「風たちぬで描かれる白樺林の情景です。

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この小説は、スキー場のある富士見高原のサナトリウム(療養所)を舞台としています。
美しい風景の中で、主人公は重い結核に冒されている婚約者に付き添っていました。

彼女の死の影に怯えながらも、二人で残された時間を支え合って共に生きる物語です。
生きて死ぬことの意味を問い、時間を超えた生の意味と幸福感が描かれたのだとか。

作中の「風立ちぬ、いざ生きめやも」という詩句が有名なので、ご存知かもしれません。
この樹木ですが、北海道なら平地のどこにでも見られるもので、ごくありふれています。

一方、本州で眺めるには高所まで出かけるのが必要なことを、この小説で知りました。
後年、長野県へは遊びで出かけるようになりましたが、どうにも白樺の木が小汚い。

この富士見高原でも見かけることがありましたが、やや褐色でくすんだ色合いです。
変だなーと思いつつも、暑いし日差しも強いから日焼けしたのだと断定していました。

ところが、この思い違いが大きくて、この木は白樺ではなくダケカンバだったのです。
どちらもカバノキ科の分類ですから木肌が似通ってはいますが、色合いが違います。

白樺も色がくすんだりはしますが、それでも高原の白い貴公子のイメージにふさわしい。
そして、この富士見高原リゾートにも白樺林があるそうで、少し気になってしまいました。

というわけで、かの地は、昔は結核患者が療養で過ごす空気のよい場所なのでした。
そんな印象が自分なりに強いわけで、スキー場のイメージとはかけ離れているのです。

実際に滑ってみましたら、とてもかわいいゲレンデの中は家族連れで賑わっていましたし、そのスタイルは、今も変わらずにファミリーに愛されつつ営業しているようですので、高原の避暑地は、通年で遊べる場所に変身していたのだというのを、再認識したのでした。


おまけ:
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