2015年9月9日水曜日

殺風景な生産ラインは、カラフルな装いで華​やいでいたんだけどね - ナシック・プネ地域の工場(インド)

作業服の貸与より、頑固にサリー服が一番

インドで女性服と言えば、民族衣装のサリーやクルティが世界的に有名です。
このサリーですが、足元から肩までを一枚の布で覆うもので、生地が長い。

数メーター以上になりますが、暑い国なので、部分的に肌が露出します。
チョリと呼ばれる、つんつるてんのブラウスを着て、セクシーなへそ出しでした。

一方、後者のクルティは、ワンピースとズボンを着合わせた民族衣装です。
昔、学校の授業で習ったのですが、シーク教徒の女性は、サリーを着ません。

何でも、強姦事件が起きたために、肌の露出を抑えるようにしたんだとか。
ただ、教徒が集中して住んでいるパンジャブ州では、パンジャビーと言います。

こうして、インドでは街行く女性の7~8割が、こうした衣装を着こなすのです。
おしゃれな感じがしますが、そのせいか、地味な工場服は興味を示しません。

会社の貸与だからと言っても、袖を通す女性は今まで増えませんでした。
冒頭は、三年前に訪問したプネのパッキン工場ですが、サリー服なのです。

カラフルだし、殺風景な工場が一瞬華やぎますが、安全面はほぼ無視です。
あのヒラヒラした被服の生地が、間違って機械にからまったらなんとしましょうか。

機械に巻き込まれて大怪我をするかもしれず、危険予知など皆無です。
まあ、これがインドの製造業だといえば、そうかもしれませんが、驚きました。

それでも、メイン工場は、インドスズキへ自動車パッキンを納めているそうです。
恐ろしや、スズキマルチといった感じもしますが、これがインド水準でありました。

一日、数百円の日給でしょうか

一方、サリー服姿のお母さんが、胡坐すわりで、軍用パーツのバリ取りです。
会社の二代目社長が、武器の重火器部品を納めていると話してくれました。

見ていると、飛行を安定させる翼が付いた砲弾の胴部のように思えます。
棒ヤスリで手荒にバリをこそぎ落としますが、精度もへったくれもありません。

うーん、すごい現場を見ちゃったと思いつつ、これが鍛造工場の実態でした。
まあ、三年前の女性従業員の勤務実態だったといえば、そうかもしれません。

ただ、今回、工場を訪問して、ちらほらと工場服姿のの女性を見かけました。
確かに民族衣装は着たままなのですが、上着だけは羽織っているのですよ。

やっぱり、一張羅の服が、油などで汚れるのがイヤなんじゃないかと思いました。
他方、アクセサリーの耳飾、腕輪は外すことも無く、労働に従事しております。

ワッシャの選別産業、こちらも胡坐すわり

経営側も、そこら辺は余り気にしていないようですが、品質管理はどうなのか。
でも、どの工場でも、ISO9001のサートは、当たり前に掲げられておりました。

聞けば、海外の取引もそれなりにあるようで、一定レベルは守っているのか。
日本型品質管理まで押し付ける気は、毛頭ないものの、どうもしっくりしない。

それでも、現地の産業技術のキャッチアップは、弾みがついているのも事実。
これは、インド人のたくましさで、和魂洋才ならぬ、印魂洋才としておきましょう。

まあ、郷に入りては郷に従えで、目くじらを立てずに、取引先を探すだけです。
というわけで、作業服に着替えて工場で働く女性も、少しずつと増えています。

一方、日経新聞の報道記事でも、同様の趣旨を三年前に掲載していました。
ところが、自分の見聞だと、作業服の導入が少しばかり遅れがちな印象です。

まあ、これは、訪ねた会社の資本規模や工場サイズの違いかもしれません。
何れにせよ、底辺の下請工場からも、女性に従業員服を着せるという前向きな動きが見られたのは事実でしたし、ひいてはこれが、全インドの産業化、工業化の紛れも無い発展を示していると感じた、工場訪問になったのでした。



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