2017年8月14日月曜日

北海道旅行を目前に、かの地では生育できない花々を鑑賞してみたのであった - 飯島市民の森(横浜市栄区)

シュウカイドウ(秋海棠)

自分が終の棲家に選んだ家には、すぐそばに市民の森があるのです。
四季を通じて散策ができますので、折々に色々な花と出会えます。

この秋海棠は、中国から帰化した植物で、せせらぎ沿いに咲いてくれます。
秋が巡って来ると出会えるのですが、もう八月の中ごろから咲き出しました。


蝉の声がうるさい中でも、時は着実に流れていて、季節が変わるのですよ。
そんな感慨に浸っていましたが、どんな花が咲いているのか探索をしました。

キツネノカミソリ(狐の剃刀)

彼岸花の仲間だそうで、葉は早春に伸びて夏の前に枯れる同じ特徴です。
八月初旬の頃に、花茎の頂に橙色のラッパ形の六弁花を数個つけます。

由来は、細長い葉が剃刀に似ていて、有毒で役に立たないので狐だとか。
彼岸花も有毒で、雑草の繁殖を防ぐために田んぼのあぜに植えたりします。

球根植物なので、古代から人から人へ植えられて、全国に広まったみたい。
一方、こちらは種子をつけるので、自然に繁殖して広がることも可能です。

そんな違いのある花ですが、なかなかに可憐でかわいらしいと思いました。
そして、こういった花々は自分の生まれ故郷、北海道では咲いてくれません。

ヤブミョウガ(薮茗荷)
この薮茗荷も、北海道にはない花ですが、少し日陰のある場所で咲いています。
実ができると若いうちは緑色でも、熟すと濃い青紫色に変わり、風情があります。

こんな花も北海道には無かったのかと、五十代になって発見する不思議さです。
そして、卯の花も北海道の一部を除いて、繁殖していないのに驚きました。

ウツギ(空木)
童謡・唱歌に「夏は来ぬ」というのがあり、歌詞に「卯の花」が登場してきます。
これがウツギですが、道産子の小学生だった頃、歌を習っても、花を知りません。

それでも、夏が来たという、さわやかさを残すメロディーラインが印象的でした。
花は開花の時期が長いので、盛夏になっても咲いてくれているのが、微笑ましい。

ヘクソカズラ(屁糞葛)

葉をもむと悪臭がするので名づけられたようですが、可憐な花がなんとも切ない。
あまりの可愛そうな名前なので、早乙女花とも読み替えられたりしています。

実際のところ、美肌化粧料として肌に潤いを与える効果が分かっております。
ただ、生の果実のままでは臭みがどうしても残り、香料が混ぜられるんだとか。

ことわざには、”屁糞葛も花盛り”というのもありまして、番茶も出花と同じ例え。
いやな臭いがあって好かれていなくとも、愛らしい花をつける時期があるのです。

つまり、不器量な娘でも年頃になれば、それなりに魅力があるということなんだ。
まあ、そんな花もあれば、歴史上の人物から名づけられた花も見つけました。

テイカカズラ(定家葛)
調べたら、キョウチクトウの仲間のつる性常緑低木で、有毒植物とありました。
和名は式子内親王を愛した藤原定家から採られていて、伝説も残しています。

それは、死後も彼女を忘れられず、ついにこの花に生まれ変わってしまった。
そして、彼女の墓にからみついた離れず、永遠の愛を誓ったのでしょうかね。

それにしても未練がましいのですが、和歌に生きた男だけのことはあります。
”虎は死して皮を留め、人は死して名を残す”のような格言のままの花でした。

と言うわけで、北海道旅行の荷造りの最中に、時間を見つけては書きました。
これから、夕方の便で千歳空港まで飛んでしまいますが、北海道に着けばさわやかな別天地が待っているのであり、改めて訪問する道東の湿原で花々に出会えることをわくわくと楽しみにしながら、筆を置く自分がいるのでした。


おまけ:
ヘクソカズラだけは、全国各地に生えているようです。




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