2017年11月14日火曜日

実在しないのに、みれば天地の気が宿るようにも思えてくるのが、龍神たる所以なんだろうね - 天心記念五浦美術館 「開館20周年記念 龍を描く-天地の気-」(北茨城市・茨城県)

川合玉堂 "雲龍図”

日本でも、龍は神格化した存在としておなじみですが、起源は古代中国です。
漢字で書くと、冠をかぶった蛇の姿を表しており、本来は竜が原字に近いとか。

かつて、中国の揚子江に生息していた鰐の姿を、象ったものと言われています。
その後、鰐は絶滅してしまい、爾来、想像の世界で生き残るようになりました。

それを考えると、ワニの体形を見れば、竜がオリジナルだというのは分かります。
それから、様々な模様や装飾が加えられて、字形は威厳を持ち始めたのかな。

まあ、神格化した中国の龍は神獣、霊獣であり、皇帝の象徴でもありました。
一旦、シンボルとして扱われたのなら、おごそかな字に変貌したのも納得です。

ところが、共産党支配の中国では、簡体字の採用で、「龙」が用いられました。
画数が少なくて無学者にもすぐ書けそうな字ですが、何と粗末な字でしょうか。

そんなことを思うと、現代の中国は、かつての支邦(シナ)ではないのでしょう。
漢民族を象徴した所産である繁字体を捨てた民に、もはや龍は不要なのか。

清王朝の国旗”黄龍旗”
ブータン王国の国旗(雷龍)

ならば、この字を人名漢字に採用している日本へは、ぜひご動座いただきたい。
昇竜のごとく天に登り、そして、豊葦原の瑞穂の国、日本へ降臨していただく。

そんな風にも思いますが、想像の龍は、古くより決まった姿で描かれてきました。
龍のひげもそうですが、持っている玉、龍玉(りゅうぎょく)も必ず描かれますね。

そういったワンパターンで描かれているのに、龍の水墨画は色々と見ると楽しい。
画家の想像する伝説の龍達は、あたかも自在のように空を舞うかのようです。

そして、そんな美術作品ばかりを集めた展覧会が、現在、開催中なんですわ。
場所は、茨城県の天心記念五浦美術館で、期間は26日までと残り少ない。

観覧して来ましたが、出展作品を描いた画家を、意外に見知っておりました。
だって、テレビ東京の「お宝鑑定団」で紹介されていた芸術家がかなり多いのだ。

中でも、小堀鞆音、この人は武人の動きを描くために、武具まで自作しました。
鎧や兜の構造、機能を分析して、武士の本当の動線を描きたかったらしいよ。

小堀鞆音、経政詣竹生島

確かに、出展作は、紐で結わえた大袖の描き方が、非常にリアルで納得です。
番組でも、武具がこまごまと並んだ、当時のアトリエ写真も紹介されていました。

それから、鮎を描いて右に出る者なしと謳われた絵師、小泉斐の龍もあります。
お宝鑑定団では、真作だと鑑定されましたが、本人の作品は始めて見ました。

この他、横山大観、小林古径、下村観山、菱田春草など、何れもおなじみ。
それも、鑑定団で紹介された画家ばかりなので、なおさら、愛着も湧きました。

というわけで、想像の動物なのに、画紙や画布の上で龍が躍動しておりました。
ところで、来日したアメリカのトランプ大統領は、今や安倍 晋三首相を信頼して、かれの提唱するアジア外交、安全保障の政策を踏襲、支持しているわけですが、これぞ、我が日本国が再度、昇龍になり始めたきっかけかも知れず、そういう時期だからこそ、この展覧会を見に行くべきなんだと思ったのでありました。


おまけ:
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